言葉のチカラ。
少ない言葉ほど、ピンポイントで力強く感じます。
絵本で言えば「文字の少ない絵本」。
すごいところは、「伝えたいことがちゅっと絞ってある」こと。
私たちのお話会では、文字のすくない絵本を紹介するときは、数少ない文字からいろいろ想像して、音を足したり、伝えたい気持ちをこめて朗読したり、工夫をします。
そういった読み手の感情をはさむ余裕があるのが、言葉のすくない文章。
「ここからは、あなたの世界で想像してください」という、作者のひろいフトコロを感じます。
「雨ニモマケズ」。
たったこれだけの言葉の中にも、読む人によって感じるものはさまざまですよね。あなただけのストーリー、ぜひ想像してみてください。いろんな角度から考えると、本当におもしろい文章です。
昔、情報出版社に勤めていたのですが、入社の筆記試験で忘れられないのが出題問題。B4サイズに2問「CDから連想することを書きなさい」「たわしから連想する使い道を書きなさい」。筆記試験が芳しくなかったので、B4一面びっしり、一生懸命連想ゲームで埋めました。その迫力のおかげか働かせていただけることになったのですが、そんな問題を出した会社の心意気がすっかり気に入りました。入社してみたら、この質問のように自分の力で道をひらいていかなければならない、常にテーマの大雑把な中から仕事を探していく仕事でした。筆記試験で会社の求めているものが伝わる。おもしろいですね。
今日の小学校公演で紹介したお話で、「少ない言葉でココロが伝わるお勧め作品」ベスト3は、宮澤賢治「雨ニモマケズ」、あまんきみこ「ちいちゃんのかげおくり」、スーザンバーレイ「忘れられないおくりもの」です。
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yuki (木曜日, 16 12月 2010 23:20)
なるほど~、度肝を抜く”お題”だわ。shibuさんの製造過程を垣間見たような・・・私、最近、あなぐまさん=shibuさん。やたらと浮かんでくるの。2学期も少ないながらもみんなとまた一緒に動けて感謝、感謝です。
shibu (金曜日, 17 12月 2010 00:18)
サンキュyuki。あなたの「がんばりたい気持ち」を感じつつ、いろんな意味で「体に無理のない量」をみんなでいつも考えているんだよん。yukiには、読んでうきうきと元気になれるようなお話が、今一番向いているんじゃないかなと思うよ!元気が一番!来年も前向きに行こう~!